コロナ禍になって注目度が高まっているのが化学系の技術士の資格です。いったいどのくらい経験値が必要なのか、気になりますよね。将来の夢のために、一緒に見ていきましょう。
そもそも技術士とは、テクニカルな技術をもった専門的な仕事のこと。日本の科学技術を裏方から支えている業種になります。いわゆる手に職を付けながら働けるので、近年とても注目があつまっています。
また技術士には、いくつかの部門があります。森林、建設、応用理学、機械、船舶などが含まれます。そして今回チェックしていく化学部門もあります。化学では化学プロセスやセラミックス、燃料などについての知識を問われます。そして、これらの知識をマスターしているのが化学部門の技術士になります。それぞれの物質の特性や、構造を理解している人。実社会に対する応用方法を知っている人です。
これから化学部門のテストを受けようと思っている人は「試験の難易度」が気になるのではないでしょうか。過去の合格率をチェックすると、次のような値が出ています。
・化学部門→64%
100人受けたら、だいたい65人くらいは合格している計算になります。技術士は全体的にむずかしいのですが、化学の難易度は中レベル。ポイントをおさえた勉強をおこなっていけば、合格切符を手に入れるのは不可能ではなさそうです。
ちなみに人気の高い環境部門や森林部門、農業部門の合格率は30〜50%の間です。そのためほかの部門に比べて、ねらい目の部門といえます。過去問を解きながら、自信を高めていきましょう。
また化学部門では、どのような内容の問題が出るのでしょうか。令和3年度のテスト内容をみると、次のような問題が出題されています。
・化石燃料にたよらない、エネルギーとは?
・脱炭素社会にまつわる課題とは?
・デジタル化における課題とは?
いずれも「化学産業にたずさわる技術者として、どのように考えますか?」と個人の見解を尋ねている問題が多くなっています。また考えられる課題と、リスクについて具体的にあげるように指示されています。
単なるマークシート式の問題ではなく、かなり込み入った質問で「研究者としての見解」を求めているというのが大きな特徴です。また解決策を3つ示すなど、複数のアイデアを答えさせる問題も出題されています。
このような傾向は、前年度も令和2年度にもみられたもの。令和2年度には「世界的な感染症に対して、技術者が果たせる役割は?」と、新型コロナを意識した問いも含まれています。
単なる参考書の丸暗記では答えにくい、より実践的な問題が出されているのが、科学部門の特徴になります。過去問を解くのはもちろんのこと、日頃からニュースをくまなく調べたり、自分なりに意見をもって策を考えておいたりすることも必要になりそうです。
また化学部門では、次の選択科目が与えられています。
・化学プロセス
・有機化学および燃料
・無機化学およびセラミックス
・高分子化学
化学分野において幅広い知識が求められているので、それなりの経験が求められる内容といえそうです。
ちなみに化学部門に限った話ではありませんが、技術士の二次試験を受けるには4〜7年の実務経験が求められています。知識だけを持っていても受験はできないので覚えておくといいでしょう。
化学系の技術士は、化粧品や医薬品の製造など多岐にわたります。また最近では環境にやさしい製品づくりにも、化学の力が役立てられています。少しずつ勉強を重ねながら知識を増やしていきましょう。